徒然な日々に

その日の個人的出来事や、見たニュース、記事から思った事、感じた事を徒然と…
12月06日(日)

集中防御と火災 

5日付けの毎日jpの記事から

護衛艦衝突:接近戦想定せず 近くに可燃物「やむなし」
2009年12月5日 11時9分 更新:12月5日 11時31分
 4日午前に高知県の足摺岬南方の海上で海上自衛隊の護衛艦同士が接触した事故で、「さわぎり」(3550トン)の艦首部分に大きな穴が開いた。10月下旬には関門海峡でコンテナ船と衝突した護衛艦「くらま」(5200トン)も、艦首部分が衝撃で折れ曲がり、火災の鎮火にも手間取った。自衛艦なのに大丈夫なのか?【樋岡徹也】

 くらまは狭い関門海峡で貨物船を追い越そうとした韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)と衝突。艦首部分は下向きに折れ曲がり、原形をとどめないほど。そこから出火し、地元消防などが必死に消火作業をしたが、鎮火まで10時間半もかかった。

 実戦だったら、と考えると空恐ろしい光景だが、海自幹部はこう説明する。「現代の艦船の主眼は、まず攻撃を受けないことにあり、仮に攻撃されても沈まないこと」

 現代戦は船体をぶつけて敵の船に乗り込むような接近戦を想定していない。遠距離から発射されるミサイルに対応するためレーダーで軌道を追尾、迎撃することに重点を置く。もし被弾しても、船の造りを細かい区画に分けておくことでダメージを小さくすることができるという。そのうえで、艦首について海自幹部は「高速性重視で軽量化・鋭角化し、エンジンなど重要部品が集まる中央部、かじやスクリューのある艦尾に比べ強くない」と説明する。

 衝突そのものが想定外ということか。では、くらまはなぜ長々と炎上したのか。

 海自トップの赤星慶治・海上幕僚長は事故後の会見で「衝突部分の近くにペイント庫があり、ペンキ缶を保管している。そこが一つの原因かなと思われる」と語った。

 船体の腐食防止を兼ね、船には一般に塗料が塗られているが、くらまの場合、ペンキやシンナーを保管するペイント庫が艦首の近くにあった。そばには、いかりを操作する装置の配線もあり、衝突で切れて火花が飛び、ペンキなどに引火した可能性もあるという。

 艦首部分に可燃物を保管していたことに疑問の声もあるが、海自幹部は「エンジンや戦闘指揮所、武器弾薬など大事なものを中央部や艦尾部から順番に置いているので、ペイント庫は基本的に艦首部の甲板付近になってしまう」と漏らす。ペイント庫の約20メートル後方には弾薬庫があったが、延焼は免れた。

 いやいや、敵の船に船体、それも船首をぶつけて乗り移るって、大航海時代じゃないんですから…

 20世紀の頃には既に衝角は戦争では役に立たず、逆に味方を傷付けるだけとなって初期に廃止されています。

 大型艦は大口径砲搭載の上で戦列を組んで統制射撃、小型艦はその優速を活かしての魚雷戦と戦い方自体変貌していましたし、第二次世界大戦の頃になるとレーダーの発展によって夜間でも遠距離戦が可能になりましたし、その後はミサイルに代表される誘導兵器の時代ですから、相手が見える距離まで接近する必要自体ありません。

 そんな時代に船首を装甲でガッチガチに固める利点が何処にあるでしょう?

 逆に欠点ならば、重量バランスが狂い、重量も増加するので速度も低下、凌波性も低下するので燃費も悪化…など一杯ありますが

 そもそも船と言うのは非常にバランスを維持するのが難しい乗り物です。

 少し前にフェリーが三角波を食らって転覆、座礁してしまった事件がありましたが、船底に安定翼を付け、縦横比の横幅割合が大きいフェリーであっても重心バランスが狂ってしまえば簡単にああなるのです。

 然るに軍艦のような重量物満載で、トップヘヴィーに成り易いモノの船体をガッチリと装甲で覆ったら浮力を得るのが第一になって速度や武装は酷いことになりますよ。

 例えば日本最大の軍艦であった戦艦『大和』はどうか?

 装甲を施してあるのは前部の第一砲塔部から後部の第三砲塔部までであり、船体の半分は非装甲区画でした。

 軍艦が集中防御や区画の小分けによって沈没の防止を図っているのは昔からです。

 実際、同時代の話としてミッドウェー海戦での重巡『最上』が『三隈』と衝突事故を起こして船首を失っていますが、やはり沈没などせずに帰還していますし、駆逐艦『天津風』に至っては雷撃を受けて艦橋部までを失っても沈没しておらず(味方が曳航して帰還した)、船首が頑丈じゃないから大丈夫じゃないなんて単純な話ではないんですね。

 もう一つの火災の問題は昔から軍艦泣かせの問題ですね。

 軍艦を沈没させるには艦底部や舷側に穴を開けて浸水をさせねばなりませんが、軍艦の戦闘力を奪う事が目的ならば火災でも達成出来ます

 配電盤が焼ければ電気が使えなくなるので砲の旋回すら出来なくなりますし、艦内電話による通話も不可能になりますし、レーダーなども当然使えません。

 火薬庫付近であれば引火しての爆発を防ぐ為に注水せねばならず、そうなればやはり弾は撃てなくなりますし、艦上での炎上でもやはりミサイルや弾薬が危険になりますし、機械室や舵機室なら操船に影響が出ます。

 だから可燃物は極力使わないに越した事は無いけど、記事にもあるように腐食防止のペンキなどは必要であり、ならば一番火の気が無く、仮に出火しても他に被害が広がり難い船首部分が最適と言う事なのでしょう。

 約20メートル後方には弾薬庫があったなんて最後に書かれていますけど、そもそも『くらま』は全長159mしかない上に艦首部に単装砲を2基も持っているんですから、それは当然の話でしょう。

 全長と言う最大値で計算しても20m感覚では8等分しか出来ず、艦の前半分として考えるなら4等分ですから、間に一区画分挟んだと言う事であり、決して近場に置いてあったと非難するような事ではないと思います

 直接的な形ではやっていませんけど、明らかにこれって海自を非難する記事であり、そんなものを書くならせめてもっとこの方面の常識を学んだ上でやるのが記者としてのルールでありモラルなんじゃないんですかねぇ?
スポンサーサイト
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

folke

Author:folke
怠惰な社会人。
画像はウチのトイプードル(ウサ耳Ver)

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム


folkelowさんのランキング集計結果