徒然な日々に

その日の個人的出来事や、見たニュース、記事から思った事、感じた事を徒然と…
11月29日(日)

遂に確認された伊201及び伊401 

25日付けのMSN産経デジタルライフの記事から

旧日本軍のスーパーサブマリン発見さる!
2005年に位置はわかっていたのですが、今回伊201潜水艦と伊401潜水艦がハワイ沖で発見されました。

伊201潜水艦は通常の倍の速度で水中航行するため船体をスリム化、洗練された艦橋に兵装は収納可能。そして伊401型潜水艦はアメリカ本土を直接攻撃する目的で3機の爆撃機「晴嵐」を搭載する潜水空母。最新鋭の潜水艦の3倍もの巨体、乗員144人、航続距離は約6万キロ。晴嵐は800キロ爆弾を搭載し、爆撃後はフロートを使って着水します。

さらに爆弾のかわりにコレラやチフスなどを感染させたラットを缶につめ、落とそうという計画もあったそうです。なんと卑劣な、とはいえ実戦投入しませんでしたね。なのにアメリカ軍は原爆を投下するなんて。

戦後アメリカ軍は超ハイテクの塊だった伊201潜水艦と伊401潜水艦を接収、内部を調査してソビエトに情報が渡らないようさっさとハワイ沖に沈没させたんですね。その後冷戦時には潜水艦から発射する巡航ミサイルが開発されましたけど、今後は潜水艦発射タイプのドローン、無人攻撃機を開発するようです。伊401からインスパイアされているの、みえみえですね。
2009年11月25日 11時00分 (ギズモード・ジャパン)

 元は最後にあるようにギズモード・ジャパンに掲載された野間恒毅氏の記事のようです。

 惜しむらくは掲載されている写真が僅か4枚であり、しかも内2枚はCG、残り2枚も伊401の25mm3連装機銃と『イ-401』という艦名部分だけのものであった事ですね。

 まぁ、実際に発見されたのであれば今後更なる撮影やその映像の公開がされるでしょうから期待して待つばかりですが。

 この記事、解説は概ねの部分は間違っていないのですが、気になる点が幾つかあったので2隻についてだけでなくその点についても記します。

 まず伊201級、通称『潜高型』潜水艦ですが、これは今までの日本の潜水艦と発想が全く異なった点が最大の特徴です。

 伊号の名を冠しているものの実際にはその排水量は呂号クラス(それまでは最小のものでも伊号は水上排水量が1,400t以上あったが、伊201は1,070tと呂35型の960tとほぼ同程度しかない)であり、また、これまでの伊号のような偵察が主任務ではないんです。

 それまでの伊号潜水艦は元々の日本の対米作戦である漸減邀撃作戦に基づいて侵攻してくる米艦隊を発見、攻撃するなどの索敵能力も求められていました。

 その為に水上排水量が2,000t伊号潜は水上偵察機を搭載しているものが多く(伊12や伊40など)、速力も水上では20ktを超える一方で水中になると10ktにも届かないという特徴を有しています

 しかし、レーダーやソナーの発達、更にはヘッジホッグの開発によって潜水艦の隠密性や水中という安全性が有効に機能しなくなった戦時中には、水中を高速で移動し、敵艦に攻撃を加えて離脱出来る潜水艦が求められ、その結果開発されたのが伊201だったわけです。

 伊201の特徴は今記したように水上速力を15.8ktにまで落とした換りに水中速力を19ktとこれまでの伊号潜の倍以上に伸ばし、小型で俊敏な潜水艦にした点です。

 当然ながら航続距離はそれまでの伊号とは比較にならないほど短い(他の伊号潜の半分から1/3程度で、丁度米ガトー級の半分)ですし、水上機も搭載できませんが、必要な人員は31名と半分以下、場合によっては1/3程度で事足りましたので、もっと早くに完成して量産と実戦配備されていれば活躍敵輸送路の脅かしなどに活用できたのではないかと思わずにはいられません(結局推進機関の問題を克服できず、舞鶴で全艦が終戦を迎える)ね。

 ついで伊400級2番艦、伊401です。

 記事では「アメリカ本土を直接攻撃する目的」とありますが、それは計画案の中の一つに過ぎず、実際に建造が始められた切欠はパナマ運河攻撃計画でしたし、最終的に実行が計画されたのはウルシー泊地への攻撃です

 また、「潜水母艦」と書かれていますが、晴嵐を僅か3機しか搭載出来ず、それが3隻だけ(残りは終戦までに未完成かまたは建造中止)ですので、全艦揃っても鳳翔の半分にも搭載機数が満たない(日本の空母としてはもっとも小型で、常用15機、補用6機の搭載)ので、本格的な都市や基地への攻撃などは到底望むべくもないものでしたので、米本土を直接攻撃というのは単なる思い付きレベルの話でしょう。

 実際、米西海岸は伊25による航空攻撃や沿岸部での巡潜型による通商破壊戦で警戒レベルを高めており、日本側もそれを理解して戦争初期の僅かな期間だけで作戦を取り止めていますし。

 また、スペックに関する解説が何処から引用したのか気になるんですよね。

 「最新鋭の潜水艦の3倍もの巨体」とありますが、元より呂号程度のサイズしかない伊201を基準にしたのなら兎も角、同じ戦時中に就役した海大7型の伊176などとではそんなに差はありません。

 海大7型が全長105.5m、水上排水量1,630tに対して伊400級は全長122m、水上排水量3,530tですので。

 航続距離も14ktで37,500海里なので1.852倍として計算すると69,450kmであり、約として表すなら7万kmの方が相応しいと思います。

 それと晴嵐の特徴にはフロートの着脱が可能と言う点が有名ですね。

 敵地への潜入攻撃である事から、戦闘機に追撃された緊急時にはフロートを破棄して高速で離脱、機体を廃棄してパイロットだけを回収するという考えだったのです。

 細菌兵器の使用に関しては海軍で独自に行うのは不可能ですし、過去に都市爆撃を国際法違反と日本を非難しながら、自らは平然と日本に対して行うような国相手にやった場合の報復を考えれば到底実現可能なプランだったとは誰も思わなかったでしょう

 まぁ、アメリカ側は風船爆弾による攻撃が行われた際にその可能性を相当恐れたみたいですが。

 最後に潜水艦発射タイプのドローンが伊401のインスパイアという話ですが、先にも記したように日本の場合は伊400級以前から水上機を潜水艦に搭載していましたし、米側もその事実を知っていましたので伊401からと言うのは正確ではないでしょうね。

 もっとも、アメリカの原子力潜水艦は伊400級の殻構造などのデータを基にして建造されましたので、影響そのものは十二分に受けていると言えるでしょうが。

 尚、今回は伊201及び伊401のスペック等に関するものだったので手持ちの資料として以下の出版社が異なる3冊を確認しました。

 イカロス出版 ミリタリー選書9 『最強!連合艦隊オールスターズ』
 株式会社コーエー WWⅡイラストレイテッド 『艦船名鑑1939~1945 改訂版』
 海人社 世界の艦船 増刊第37週1993.NO469 『日本潜水艦史』
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