変な理屈 03/09
何時ものようにネットを見てて見かけた変な理屈について今回は。
『小川和久のアナライザー』というHPの『過去の教育を活かさない海賊対策』という動画なんですが、その主張の要点を纏めると…
1)ソマリア沖への海自派遣は議論不足。
2)海保を派遣してヘリによる哨戒を行い、危ない船を見つけたら民間船舶にそこを避けるように言えば良い。
3)インド洋派遣のように海自の補給艦を護衛艦付きで出せば補給の問題も無い。
4)何故ならRPG-7の射程は920m程であり、7.62mmの軽機関銃は600m程に過ぎないから範囲に入らなければよい。
5)装甲板が無い海保の警備船や海自の護衛艦が撃たれたらなんて言うのは軍事マニアの弁である。
6)緊急避難や正当防衛で民間船舶が武器を使っても良い。
7)海保は世界で2番目で、装備の新しさはアメリカ以上だし、特殊部隊も持っているのに海保を出さないのはおかしい。
とまぁ、こういう無茶苦茶なものなんですね。
一応この人陸自出身で、陸海空自衛隊に関する本も出しているはずなんですがねぇ?
1)要は、自分の意見が入れられないから議論不足なんだ、世の声は関係ないんだって単なる不満な人間のボヤキ。
2)そもそも日本の船舶だけでも毎日何隻も利用する航路において、ヘリ搭載型の巡視船が砕氷船の『そうや』を入れても13隻、各1~2機搭載という状況で一体どれだけ派遣してどんなローテーションを組めるというのか?
機械にメンテナンスが必要なのは当たり前、海風に晒されると痛みが激しいのも当たり前、そして航空機が船や車などより複雑でメンテが必要なのも当たり前なんですが、国内での稼働分を確保しつつ、そんな多数を派遣して連日酷使するようなローテーションが組めると本気で思っているのでしょうかねぇ?
幾ら最新のヘリなら航続距離が1000kmもあると言っても配備数が少なく、主力の機体だと400km程度ですし、どちらにしたって機体とヘリパイが疲労する事に変わりはなく、最低でも片道2日も掛かる航路をたかだか搭載機数1~2機のヘリによる哨戒で維持するなど不可能ですよ。
ラバウルで大勢のベテランパイロットが何故死んでしまったのか、この元自衛官さんは過去から何も学べず、活かせていないようですねぇ?
ましてや、海賊船が沖合いなどからヘリの哨戒飛行の合間や哨戒区を縫って突進してきたら、その時は?
海賊は当然ながらタンカーを襲って素早く逃走する為に高速船舶を利用していますし、レーダーを搭載している船がいる事も既に判明しています。
各国が臨検だけでなく法改正までして武力行使可能な軍艦派遣を今している意味をちっとも理解できていませんよね?
3)海保で十分だと言いながら、補給能力が無いからと海自の補給艦頼り、結局その護衛をする為に護衛艦が出張るという本末転倒に加え、わざわざ別組織を混成で用いらねばならないという労力・経費の莫大な無駄。
別組織を同時に運用するのですから当然その連絡窓口設置・運用から、双方の派遣に関する手間や費用が別途に掛かるわけで、効率悪すぎです…
結局派遣するなら護衛艦に一任してしまえばよっぽどスマートに事が運ぶじゃありませんか。
4)これは2でも書いた事ですけど、レーダーとボートなど足の速い船を持った神出鬼没の相手に対して、10~15kt程度とかの鈍足タンカーなどが逃げられるわけも無く、射程920m以内に入らなければよいなんてのは画餅もいいところ。
非武装で鈍足な亀は、見つかった時点で肉食獣の餌食になりますよ、護衛する大型獣でもいない限りはね。
5)撃たれたらなんて言うのは軍事マニアの弁で、撃たれないように射程外を逃げろと主張していながら、特殊部隊を持っているから使うべきとか矛盾した主張を展開。
特殊部隊を使って制圧するには当然ながら相手の射程圏内に接近して、接舷乃至ヘリ降下せねばならないんですけどねぇ…
6)民間船舶が正当防衛を主張して攻撃してもいいとかってのも、じゃあ日本の法律を変えて航行中の船舶には敵の射程を上回る1km以上の強力な武器を搭載しても良い、そういう武装をした民間船舶が日本に入港しても良いとでもする気でしょうか?
非現実的にも程があります。
7)でも、その世界で1番と述べる国はコーストガードでなく、軍を動かしているんですがね?
合理性第一、かつ日本より規模が大きく保有している船舶数も圧倒的なあの国が、何故コーストガードではなく米海軍を派遣しているのか少しは考えたのでしょうかね。
呆れ返るばかりですよ。
(2009年3月16日 22:46 一部文章修正)
『小川和久のアナライザー』というHPの『過去の教育を活かさない海賊対策』という動画なんですが、その主張の要点を纏めると…
1)ソマリア沖への海自派遣は議論不足。
2)海保を派遣してヘリによる哨戒を行い、危ない船を見つけたら民間船舶にそこを避けるように言えば良い。
3)インド洋派遣のように海自の補給艦を護衛艦付きで出せば補給の問題も無い。
4)何故ならRPG-7の射程は920m程であり、7.62mmの軽機関銃は600m程に過ぎないから範囲に入らなければよい。
5)装甲板が無い海保の警備船や海自の護衛艦が撃たれたらなんて言うのは軍事マニアの弁である。
6)緊急避難や正当防衛で民間船舶が武器を使っても良い。
7)海保は世界で2番目で、装備の新しさはアメリカ以上だし、特殊部隊も持っているのに海保を出さないのはおかしい。
とまぁ、こういう無茶苦茶なものなんですね。
一応この人陸自出身で、陸海空自衛隊に関する本も出しているはずなんですがねぇ?
1)要は、自分の意見が入れられないから議論不足なんだ、世の声は関係ないんだって単なる不満な人間のボヤキ。
2)そもそも日本の船舶だけでも毎日何隻も利用する航路において、ヘリ搭載型の巡視船が砕氷船の『そうや』を入れても13隻、各1~2機搭載という状況で一体どれだけ派遣してどんなローテーションを組めるというのか?
機械にメンテナンスが必要なのは当たり前、海風に晒されると痛みが激しいのも当たり前、そして航空機が船や車などより複雑でメンテが必要なのも当たり前なんですが、国内での稼働分を確保しつつ、そんな多数を派遣して連日酷使するようなローテーションが組めると本気で思っているのでしょうかねぇ?
幾ら最新のヘリなら航続距離が1000kmもあると言っても配備数が少なく、主力の機体だと400km程度ですし、どちらにしたって機体とヘリパイが疲労する事に変わりはなく、最低でも片道2日も掛かる航路をたかだか搭載機数1~2機のヘリによる哨戒で維持するなど不可能ですよ。
ラバウルで大勢のベテランパイロットが何故死んでしまったのか、この元自衛官さんは過去から何も学べず、活かせていないようですねぇ?
ましてや、海賊船が沖合いなどからヘリの哨戒飛行の合間や哨戒区を縫って突進してきたら、その時は?
海賊は当然ながらタンカーを襲って素早く逃走する為に高速船舶を利用していますし、レーダーを搭載している船がいる事も既に判明しています。
各国が臨検だけでなく法改正までして武力行使可能な軍艦派遣を今している意味をちっとも理解できていませんよね?
3)海保で十分だと言いながら、補給能力が無いからと海自の補給艦頼り、結局その護衛をする為に護衛艦が出張るという本末転倒に加え、わざわざ別組織を混成で用いらねばならないという労力・経費の莫大な無駄。
別組織を同時に運用するのですから当然その連絡窓口設置・運用から、双方の派遣に関する手間や費用が別途に掛かるわけで、効率悪すぎです…
結局派遣するなら護衛艦に一任してしまえばよっぽどスマートに事が運ぶじゃありませんか。
4)これは2でも書いた事ですけど、レーダーとボートなど足の速い船を持った神出鬼没の相手に対して、10~15kt程度とかの鈍足タンカーなどが逃げられるわけも無く、射程920m以内に入らなければよいなんてのは画餅もいいところ。
非武装で鈍足な亀は、見つかった時点で肉食獣の餌食になりますよ、護衛する大型獣でもいない限りはね。
5)撃たれたらなんて言うのは軍事マニアの弁で、撃たれないように射程外を逃げろと主張していながら、特殊部隊を持っているから使うべきとか矛盾した主張を展開。
特殊部隊を使って制圧するには当然ながら相手の射程圏内に接近して、接舷乃至ヘリ降下せねばならないんですけどねぇ…
6)民間船舶が正当防衛を主張して攻撃してもいいとかってのも、じゃあ日本の法律を変えて航行中の船舶には敵の射程を上回る1km以上の強力な武器を搭載しても良い、そういう武装をした民間船舶が日本に入港しても良いとでもする気でしょうか?
非現実的にも程があります。
7)でも、その世界で1番と述べる国はコーストガードでなく、軍を動かしているんですがね?
合理性第一、かつ日本より規模が大きく保有している船舶数も圧倒的なあの国が、何故コーストガードではなく米海軍を派遣しているのか少しは考えたのでしょうかね。
呆れ返るばかりですよ。
(2009年3月16日 22:46 一部文章修正)
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